近年、これほど安全基準が引き上げられているにもかかわらず、水辺の事故が後を絶ちません。
昔から、日本人は水と深い関わりを持ってきました。
ときには、神様の恵みとして、田畑を育み、人々の命を輝かせたり、その恩恵ははかり知れません。
しかし、同時にとても恐ろしいモノとしても扱われてきました。
自分は、幼いころから、親によく『海は怖いところなんだぞ。』とか、『川には入るな。』など、聞かされていました。
おかげで、水辺の遊びに対する警戒心は人一倍強かったと思います。
自分も子供を持つようになって、はじめてその言葉の本当の意味を理解し、その教えに感謝しています。
水に限らず、自然は正しく付き合う必要があります。
『恐れ』の感情を持つことも大切だと思いますが、一番最初に抱くべき感情は『自然を敬う心』だと思います。
どんな状況であっても決して、自然をなめてかからない事、感謝することが大切なのです。
過去の大震災から、津波などへの関心や、警戒心は多くの人々の記憶に刷り込まれてきました。
しかし、それだけを警戒するあまり他の危険に無頓着になってはいけません。
いくら海で浅瀬で遊んでいるからと言って、幼い子から一瞬でも目を離せばアッという間に大波や引き潮に巻き込まれてしまいます。
全神経を尖らせながら見ていても足りないぐらいです。
子供連れの親が、お酒を飲みながら遊ばせているなんて言語道断です。
もちろん、ライフセーバーの方々のお仕事も重要なのですが、まずは親です。
もしかすると、油断しがちな川の方が危険なのかもしれません。
川は、急に深くなるところがあります。
自分も、大人になってから一度だけ川で泳いだことがあります。
まず、怖かったのは、しっかり河岸工事をしてある川なのに、下っていく階段が終わると、いきなり首ぐらいまで浸かってしまうことでした。
また、水面は穏やかそうに流れているのに、胸や、腰のあたりに掛かる水流の圧がとても強く、立っているのがやっとでした。
当然、それほど綺麗な川ではなかったので、足元などまるで見えません。
どこにでもある小さな川でもそんなです。
大自然の中の綺麗な川に行ってテンションでも上がって油断しようものなら尚更です。
とにかく、油断しないことです。
個人的な意見を述べさせてもらうなら、『君子危うきに近寄らず』と言いたいと思います。
しかしながら、親ともなると子供たちの幼稚園や学校行事に異を唱えるにも限界があります。
本来なら、先生たちが同行するとはいえ、自分の目の届かないところで、水辺には近寄らせたくはありません。
ただ、どうしても、そのような状況になってしまったときは、できれば、少しでもリスクを軽減するためにライフジャケット(救命胴衣)の着用を推奨します。
ライフジャケットを着用していれば、絶対に安全というわけではありません。
一昔前では、ライフジャケット、特に子供用の物など手に入れること自体、難しかったと思います。
自分も最近、必要に駆られ、存在を知りました。
どういったものが安全を確保できるのか、もし、事故にあったとき信頼に値する製品はどれなのか、全く分かりませんでした。
しかし、重要なのはサイズはもちろんのこと、浮力であることを知りました。
およそ浮力は体重の10%ほどが目安だそうです。
体重30キロの子供なら、10%の3キロほど、より安全性を考慮するならその倍は欲しいところですが、調べたところ、子供用だと浮力5キロほどの製品が最高値でした。
更に、股下のベルトがあると、すっぽ抜けも回避できることも分かりました。
備えは大切です。
しかし、一番大事なことは心構えをしっかり胸に刻むことです。
自然を敬い、油断をせず、決して、なめてかからない。
そして、大人たちは幼子から目を離さない。
あくまで、ライフジャケットなどの備えは、保険であること忘れてはいけません。
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