今回の「美味しんぼ」のテーマは素材です。
フランス料理にはフランスの食材を使わなくてはいけないのでしょうか?
決してそんなルールはありませんが、普通に考えたらその土地の素材を使った方がおいしくなりそうなものです。
コピーとオリジナル
出典:美味しんぼ 2巻 第4話 「日本の素材」 より
フランス料理だからといって、何でもかんでもフランスから取り寄せればいいというわけではありません。
フランス料理の技法を用いつつ、アレンジを加えない事にはただのコピーになってしまいます。
コピーよりオリジナルのほうがイイに決まってます。
そしてコピーと言われないためには、オリジナルを一つでも超えなくてはなりません。
大事なのはフランス料理の材料じゃなくて、その精神です。
料理だけではなくて、すべてのことに通じる理論ですね。
フランス料理のなかに「ウミガメのスープ」というものがあるのですが、ここでは日本の素材を使ってオリジナリティを出しています。
それは「すっぽん」です。
亀という素材こそ共通点はあるものの、完全に日本独自の食材です。
フランス料理の精神に土地の素材を使って、美味しい料理を作るというものがあります。
日本料理にもその精神はありますし、季節によっての素材の旬という観念もあります。
明確に四季が存在する日本だからこそ出せる繊細な味というものがあります。
もしフランスの一流シェフが日本に来たら、日本の素材を使ってフランス料理の技法で調理することでしょう。
フォアグラやキャビア、トリュフといった代表的な食材を使うことだけが、フランス料理ではないのです。
フランスへ留学して、一生懸命フランス料理の技法を勉強することは必要なことです。
しかしそこで終わってしまっては、フランス人シェフのコピーにしかなりません。
大事なことは、技法と精神、知識を利用して、さらに自分独自の展開をしていくことです。
古典的なフランス料理を引き継ぎながら、新しいものを生み出していくことが大切です。
古きを学んで、オリジナリティを加え、さらに飛躍させる。
確かに、日本人は少し苦手なひとが多いのかもしれません。
過去のものが必要ないわけではないのですが、修得して満足してしまうのではなく発展させることが大事です。
そのためには限られた人生のなかで、なるべく早く過去の偉人たちの知識財産を学び、残りの人生をオリジナルのために使った方がイイと思います。
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