みなさんは「そば」はお好きですか?
そばにも、「二八そば」から「十割そば」、「更科そば」など、パッと思いつくだけでも数種類あります。
そば自体の味も大切ですが、欠かせないのが「そばつゆ」です。
市販されている「つゆ」もかなりおいしいのですが、やはりそれぞれのそばに合わせてつくったものにはかないません。
薄いつゆと濃いつゆ
出典:美味しんぼ 2巻 3話より
そばはうつ時も、ゆでる時も、水洗いにも大量の水を使います。
美味しい天然の水を惜しげもなく使える環境なら文句ありませんが、街中でそば店をやろうとするとなかなか難しいものです。
ゆでる時は一度沸騰させているから、塩素は抜けてくれるので問題ありません。(鉄、銅、カルキなどは残りますが・・・。)
うつ時と水洗いだけはそばの味に直接に影響するので、できれば天然の湧水か井戸水を使いたいものです。
そばを打つにも長年の経験と知識が必要ですが、そばつゆもそれに匹敵するぐらい奥が深いものです。
更科そばのように一番粉をメインに使ったそばは、薄味のそばつゆでも合うと思います。
しかし、一番粉、二番粉、三番粉を合わせた挽きぐるみを使ったそばは、味も香りも段違いに強いのです。
そうすると、味やコクの弱いそばつゆでは負けてしまいます。
今回、「美味しんぼ」の2巻の第3話で解説してあったのは「濃いつゆ」のほう。
「かえし」を作る所から説明しています。
「かめ」を土に埋めて、醤油と湯に溶かした砂糖を入れます。
そして、フタをして最低3週間寝かせるのです。
ほぼ一ケ月。
たしかに、これだけ寝かせれば醤油と砂糖がよくなじんでカドが取れてまろやかになると思います。
次にダシを作る工程なのですが、トコトン鰹節から取ります。
もう、ダシを取るという概念から外れるぐらい煮出します。
そのため、鰹の本節を厚めに削り、七升の水が三升になるぐらいまで煮詰めるそうです。
そのダシにかえしとみりんを加えて、煮立たせないように火をいれ、土たんぽに入れて24時間そのままにします。
さらに24時間たったらその土たんぽごと45分湯せんして、籐のざるをして24時間おくのです。
途方もない時間と手間をかけて作られるそばつゆ。
だからこそ、香りや味の強いそばとのバランスがとれるのでしょうね。
さすがに、土たんぽは Amazon にはありませんでした。
金属製の物でも代用できるようですが、どうしても長い時間おいておくので、金属の味や香りが移ってしまうようです。
こだわり抜いた「かえし」や「だし」だからこそ、道具で台無しにしてしまっては元も子もありません。
籐のざるでフタをするというところにもこだわりがあります。
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